理系院生が研究しながら月10万稼いだ話|バイト掛け持ちで気づいた「時間管理」の現実

「院生になったらバイトは難しい」——そう思っていた時期が、ぼくにもありました。

でも今は、塾講師とマリン系バイトを掛け持ちして、月収10万円ほど稼いでいます。実家暮らしで奨学金なし。それでも積立NISAを続けながら、研究もちゃんとやれています。

この記事では、ぼくがどうやって研究とバイトを両立しているか、その実態を正直に書きます。「どんなバイトを選べばいいか」よりも「どう設計すればうまくいくか」に焦点を当てています。

結論:院生でもバイトはできる。でも「設計」が必要

最初に答えを言います。

院生でもバイトはできます。JASSO(日本学生支援機構)の調査によると、修士課程の学生の約86.5%が何らかのアルバイトをしているというデータもあります。つまり、バイトをしているのは少数派ではなく、むしろ多数派です。

ただ、やり方を間違えると研究とバイトの両方がつぶれます。ぼく自身、最初の数ヶ月はそれで少し失敗しました。大事なのは「どれだけ働くか」より「どう組み合わせるか」です。

きっかけ:「奨学金なしでどうする?」という焦り

大学院に進学するとき、お金のことが正直ずっと頭にありました。

実家暮らしなので家賃はゼロですが、通学定期(片道90分)、学会参加費、研究に必要な本代、日々の食費や交際費……細かい出費は意外とかさみます。学部時代はヨット部の遠征費もあって、何かとお金が出ていく生活に慣れていました。

奨学金は「借金」という感覚が強くて、なるべく使いたくなかった。だから、自分で稼ぐしかないと思ったわけです。

問題は、「物理工学の研究室に入りながら、本当にバイトできるのか?」という点でした。

仮説:「週15時間以内なら研究に影響しないはず」

まずぼくがやったのは、1週間のスケジュールを紙に書き出すことでした。

実験時間、ゼミ、輪読会、通学、食事・睡眠——これらを全部ブロックで書いてみると、「使えそうな時間」が週に15〜20時間ほどあると分かりました。

そこで立てた仮説がこれです。

「週15時間以内のバイトなら、研究への影響を最小化できる」

「15時間」という数字に特別な根拠があったわけではありません。でも、自分のスケジュールを見たとき、「これ以上は危うい」と感覚的に感じたラインがそこでした。まずそのラインを守ることを前提に、バイトを探すことにしました。

実際にやったこと:2種類のバイトを選んだ理由

バイトを選ぶ基準として意識したのは、以下の2つです。

  • シフトの自由度が高いこと(実験の都合で急に調整できること)
  • 時給が高いこと(少ない時間でしっかり稼げること)

この条件で選んだのが「塾講師」と「マリン系バイト」の2つです。

塾講師(週2〜3コマ)

塾講師は、コマ制なのでシフト調整がしやすいのが最大のメリットです。ぼくは高校生向けの理系科目を担当していて、時給換算だと1,500〜2,000円ほど。

研究と直接つながっているわけではないですが、「人に説明する」という行為が自分の理解を深めることに意外とつながっています。教えながら「これって研究で出てくる○○と同じ構造だな」と気づくことが、月に何度かあります。

また、子どもの「わからない」に向き合う経験は、研究でもコミュニケーション能力という形で生きている気がします。

マリン系バイト(土日・季節稼働)

学部時代にヨット部に所属していた縁で、水上スポーツ系のバイトに流れ込みました。季節によって稼働日数が大きく変わりますが、夏場は週末に入れると1日で8,000〜12,000円稼げることもあります。

体を動かして屋外で働くので、研究室にこもりがちな院生生活にとって良いリフレッシュになっています。「バイトが息抜きになっている」という状態は、精神的な持続可能性という意味でかなり大事だと感じています。

結果:月収10万円のリアルな内訳

月ごとに変動はありますが、ざっくりこんな感じです。

バイト月の稼働目安月収(目安)
塾講師週2〜3コマ × 4週55,000〜70,000円
マリン系(夏)土日 × 7〜9回60,000〜100,000円
マリン系(冬)月2〜4回15,000〜30,000円

通年で平均すると月10万円前後。夏は12〜15万円になる月もあります。

実家暮らしで生活費が少ない分、この収入で交通費・食費・趣味費・積立NISA(月3万円)をすべてまかなえています。奨学金なしで院生生活を続けられているのは、この仕組みのおかげです。

気づいたこと:「量」より「タイミング」の管理が大事

最初の仮説「週15時間以内」は、おおむね正しかったです。

ただ、気づいたのは「時間の量」だけが問題ではないということ。

実験の山場や学会発表前の週に無理にバイトを詰め込むと、頭が完全に追いつかなくなります。逆に、研究が比較的落ち着いている時期は週20時間近く入れても全然しんどくない。同じ「週15時間」でも、研究の負荷によって体感がまったく違うわけです。

そこで変えたのが、バイトのスケジュールを「週単位」ではなく「3ヶ月スパン」で考えるようにしたことです。

  • 学会や締め切りが集中する月 → バイトを絞る
  • 研究が比較的落ち着いている月 → バイトを多めに入れる
  • 夏休みシーズン → マリン系を積極的に活用する

この「波のあるスケジュール」にしてから、研究とバイトの両立がかなりスムーズになりました。直前に詰め込むのではなく、大きな流れを先に決めておくのがポイントです。

失敗談:最初の半年でやってしまったこと

正直に書くと、最初の半年はうまくいきませんでした。

バイトを入れすぎて、研究の集中が切れる日が続いた時期がありました。バイト後に研究室に戻る気力がなくなって、「今日はもういいか」とそのまま帰ってしまう——そういう日が週に2〜3回あったんです。

問題は、1日の疲労量を読み間違えていたことでした。塾講師は頭を使う仕事なので、授業後は思ったより消耗します。「バイト後に2時間は研究できるだろう」という見込みが、実際には30分も集中できないことが多かった。

この経験から、「バイトは研究の前に入れない」というルールを自分に課しました。午前中に実験やデータ整理を終わらせてから、夕方〜夜にバイトに行く。この順番を守ってからは、研究の質が落ちなくなりました。

まとめ:院生バイトで大事な4つのこと

ぼくの経験から整理すると、院生がバイトを続けるうえで大切なのはこの4点です。

  1. シフト自由度の高いバイトを選ぶ——研究の都合に合わせて調整できること
  2. 時給を重視する——少ない時間でしっかり稼げる仕事を選ぶ
  3. タイミングで量を調整する——繁忙期は絞る、閑散期はしっかり稼ぐ
  4. バイトは研究の後に入れる——研究を後回しにすると必ず失敗する

バイトをうまく組み合わせれば、院生でも奨学金なしで経済的に安定した生活が送れます。「院生はバイトと研究の両立が難しい」というのは、ある意味本当ですが、設計次第で十分乗り越えられます。

ぼくの経験が、同じ悩みを抱えているどこかの院生の参考になれば嬉しいです。

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